抽出の4つの基本変数

抽出の言語化

はじめに

前回は、ハンドドリップを

①前提(何を使うか)

②操作(どう淹れるか)

③体験(どう感じるか)

の3つに分けて考えました。

今回は、その中でも「操作」を、さらに分解していきます。

ハンドドリップは感覚や職人技として語られることも多いですが、

抽出はシンプルに整理できます。

抽出とは、粉とお湯の境界で起きている現象そのものです。

そして抽出の現象を決めているのは、この4つの基本変数です。

  • 温度
  • 接触面積
  • 接触時間
  • 流動状態

ひとつずつ見ていきます。


温度(抽出の進行速度)

温度は、抽出がどれくらいの速さで進むかを支配します。

温度が高いほど分子の動きは活発になり、短い時間でも抽出は進みます。

逆に温度が低いと、抽出はゆっくりになります。

つまり温度は、抽出のスピードを決める要素です。


接触面積(抽出の上限)

接触面積は、お湯がどれだけの成分に触れられるかを支配します。

粒度や粒の形、粉の重なり方によって、お湯が届く範囲は変わります。

細かく挽けば触れられる面は増え、粗く挽けばそのぶん限られます。

また、粉の状態によっては、お湯が入りやすい場所と入りにくい場所が生まれます。

つまり接触面積は、抽出の上限を決める要素です。


接触時間(抽出の到達点)

接触時間は、抽出をどこまで進めるかを支配します。

コーヒーの成分はすべて同時に出てくるわけではなく、順番があります。

時間が短ければ前半の成分で終わりやすく、時間が長ければ後半の成分まで進みます。

つまり接触時間は、抽出のゴールを決める要素です。


流動状態(抽出の効率)

流動状態は、抽出がどれだけ均一に進むかを支配します。

お湯の流れや動きによって、粉の周りの状態は変わります。

流れが強ければ、多くの成分が抽出されるようになります。

また、流れに広がりがあれば、粉全体の抽出がバランスよく行われます。

つまり流動状態は、抽出の効率を左右する要素です。


4つの基本変数の関係

ここまで4つに分けてきましたが、実際の抽出では、これらは完全に独立しているわけではありません。

面積が変われば抽出時間も変わることもあります。

それぞれが影響し合いながら、一杯のコーヒーができあがります。

ただ、最初からすべてを一緒に考えると、少し複雑に感じてしまいます。

なのでこのブログでは、理解しやすくするために、一度分解して捉えていきます。


まとめ

ハンドドリップの抽出の現象は、次の4つに分けて考えることができます。

  • 温度
  • 接触面積
  • 接触時間
  • 流動状態

この4つを意識すると、

  • 今日の味はなぜこうなったのか
  • 昨日と何が違ったのか

こういった変化を、少しずつ言葉にできるようになります。

好みの味を追求することや、実験的にいろんな味わいを楽しむことに活かせると思っています。

この4つの基本変数をどうしたいかで操作が変わってくるのです。


次回予告

次回は、基本変数の中でも扱いやすく、味への影響が大きい「温度」を深掘りしていきます。

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